ハナレ

本・映画・音楽・旅行

夜の公園 川上弘美

 

柔らかくそれでいてしっかりとした文章を書く人だ

1ページ目ですでに私は心を掴まれていた

 

 

不倫、へんな言葉だ

たとえば自分が結婚している人と付き合っているとして、そのつきあいを「不倫」という言葉でくくってしまったとたんに、ものすごく簡単なしくみの恋愛になってしまった気がする

 

婚約者がいる人とは関係を築いてはいけないというような曖昧なモラルをみんなが信じこんでいる。

 

 

私も、好きになった人が他の男に、自分以上に心を許していたら嫉妬してしまうだろうし、だからみんな安定を求めて、この曖昧なモラルを拠り所にしているのだろう。

 

 

けれど、そもそも人間は1人の人間だけを愛せるようになどできていないように感じる。

 

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サラバ! 西加奈子

 

おれは、お前の幸せを決めることはできない。

本当にその通りだ

 

僕は自分の幸せを他人にも押しつけて考えていたことが多かった。

あいつあんなことしてて楽しいのかな、とか

そんなことしてる時間もったいないなあ、とか

 

その人がいちばん大切にしてること、信じていることは違うということを理解して関わっていく必要があるなあと

 

書いていて、こんな話を思い出した

あなたが自分の一生で一番手にいれたいものは何か?という質問である。

名声なのか、お金なのか、愛なのか、信頼できる友達なのか、

この質問を掘りさげていくと自分が生きていく目標、ゴールへの道筋がわかると

 

 そして僕は、①いろんな人の物語②関われる場所がほしいと思った。もちろん10億円も欲しいが、そうすると次に、どうやってがくるから。いまのところ10億円はあきらめた

 

そうやって考えることから逃げて、現実からも逃げて、及第点のようにだした自分の欲しいものがさきほどの①と②だ。

いちばん手にいれたいものなのに、それっぽく答える自分がすごく嫌だった。それに2つだし

 

でも今のところはそういう環境をつくれるように頑張って生きていこうと思う。

 

今日は作者と同じかなこという名前の友人を交えた3人でご飯を食べに行った。

かなこと会うと、こいつ本当にこんなてきとうな生き方でいいのかなと思う。そしてサラバ!を思い出して

でもこいつが幸せかどうかはおれが決めることちゃうなと

 

家まで送ってもらってるとき

僕は後部座席に座って運転しているかなこの頭のてっぺんを触っていた。

そこさわられると下痢になるからやめて

と言われ、そのあとはずっとうなじを触った。

 

そして家についた僕はトイレに直行した。

下痢だった。

頭のてっぺんを触っていたのは僕の方なのに

ぜんぜん関係ないけど

 


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世界で一番ロマンチックな海 鎌田敏夫

 

 

先日はじめての海外旅行先として

フィリピンに行った。

 

せっかくなので綺麗な海を見に行こうと

マニラから片道6時間かけてボリナオ地方へ向かった。

そこはガイドブックで見つけたビーチで、

観光案内には『まだ誰も知らないビーチ』と大々的に掲載されていて、めちゃくちゃ知られてるやんと思ったが、マニラの人に話を聞いてみると全く知らないようだった。

たしかに、東京から福島くらい離れているので現地の人は知らないのかも知れない。

 

知らない土地を車で6時間なので不安も疲労もあったが、着いてからは、ホテルも綺麗で海もすごく素敵なところで良かった。


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そして綺麗な浜辺で読みたいと思っていたのが

『世界で一番ロマンチックな海』

これはボリナオのような澄んだ海ではなく

もう少し潮くさい海のような気がする。

「私、あの病院で死ぬの」高校2年の夏、砂浜でそう言った葉子に、ぼくは初めてのキスをした。そして一生かけた恋は始まった──。

 

鎌田敏夫の本は他に恋愛映画、恋愛会話、29歳のクリスマス、キスフレンド、恋時間を読んだ。

どの作品も少しいい加減で、だらしなく、それでいてマジメな青年たちと 

賢くて、頭ではわかってはいるけど、自分の気持ちに嘘はつけない女性たちが

恋・愛・結婚について葛藤しているという印象がある。

彼は抜群に女性の心理を描くのがうまく、読んでいて何度も、あぁそうかと思い、何度も、そういう気持ちもあるのかと考える機会があった。

 

一生愛し合っていける人は大勢いる

一生幸せに暮らしていける人もいっぱいいる

でも、一生恋のできる人はめったにいない

 

人の足を借りて歩いてるわけじゃないんだから

自分で選んで、自分の人生を、綺麗な道じゃなくても歩いていかないといけないな

 

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